大事なこと「型番」

MRPなどのシステムが正しく動作するためには「曖昧さ」や「揺らぎ」を排除しなくてはいけません。

人だと「曖昧さ」や「揺らぎ」があっても上手くいくかもですが、コンピュータはそうはいきません。

ルールをしっかり決める必要があります。

型番の種類

ルールとしてまずは型番の種類を定義します。

とりあえず以下の3つあれば良いかと思います。

  1. 購入品(他社メーカが市販しているもの、メーカ型番がある)
  2. 仕掛品(特注品、半完成品)
  3. 販売品(市場に出荷するときの型番、お客さんも使う)

購入品のメーカ型番

購入品は、

  • 他社メーカが市販しているもの
  • メーカ型番があるもの

ということで身の回り沢山あります。

ここで間違えてはいけないこととして

  • 型番
  • 品名

は違うということです。

例えばパナソニックのアルカリ電池の場合、

  • 型番 = LR03XJ/8SW
  • 品名 = アルカリ乾電池単4形8個パック

となります。

型番と品名の役割は

  • 型番 = 「曖昧さ」や「揺らぎ」が無い。 しかし、人間はわかりづらい
  • 品名 = 「曖昧さ」や「揺らぎ」がある(かもしれない)。 しかし、人間はわかりやすい

ということです。

よって、システムが重要度が高いののは「型番」です。

ただ、システムも人間にも優しくないといけないので補足や備考で「品名」を扱ったりします。

 

 

購入品のメーカ型番、そのまま利用する?

答えとしては

  • いいえ

となります。

理由はちょっと理解しづらいのですがとても大事です。

この理由がわかれば、型番の本質もみえてきます。

理由を列挙すると

  • 簡単な理由  : 部品メーカ型番が変わることがあるため
  • 難しい理由  : バージョン管理や代替品管理のため
となります。

「 簡単な理由  : メーカ型番が変わることがあるため」は、

これはプロセス変更や工場変更やメーカ買収などで部品メーカの都合で突然変わったりします。

ただ部品を購入する者には影響のないものもあったりしてとても迷惑なものだったりします。

なぜ迷惑かというとメーカ型番が変わるたびに部品表を変更しなくてはいけないためです。 

 

ではメーカ型番の変更があっても部品表を変更しないで済むようするためにはどうするかというと

  • オリジナル型番を作り、メーカ型番を紐付ける

となります。

 

 

購入品のメーカ型番 -> オリジナル型番

では、オリジナル型番ってどう作ったらよいかですが、

  • XYZ00001A
    • 「XYZ」はどんな文字でもOK、2文字でも4文字でもOK、好きな英数字を使う
    • 「00001」は1番から順番に割り当てる数字
    • 「A」はバージョン

という感じでルールは簡単です。

あとはExcelなどで表を作っておいて1番から順番に割り当るだけです。

  連番 代替品  
XYZ 00001 A 2SC1815
  00002 A TC74HC14AF
  00003 A BLM18KG121TN1D
  00004 A DF40C-40DP-0.4V(51)

という感じで運用もとても簡単です。

 

お奨めしないこと、というか止めたほうがいいこととして

オリジナル型番に意味を追加することで

  • XYZ00001A_C  「_C」はコンデンサ

とか、

さらに、、、

  • XYZ00001A_C47u16V  「_C47u16V」はコンデンサで47uF16V

とかです。これらは多種多様な部品に対応できずほとんどの場合は破綻します。

ルールに曖昧さが残り、人によって、またはその日の気分によって型番が変化してしまいます。

どうせいつかは破綻するならば、最初から止めておいたほうがいいとなります。

 

仕掛品って?

仕掛品って何か? なのですがちょっと変な言い方をすると

  • 購入品と販売品以外のもの全て

となります。

なぜのこのような言い方をしたかというと、

購入品と販売品の定義は簡単で誰でも理解しやすいものだからです。

  • 購入品は、他社メーカが市販しているもの、メーカ型番がある
  • 販売品は、市場に出荷するときの型番、お客さんも使う

上記の購入品と販売品以外は全て仕掛品と思えばよいのです。

具体的な仕掛品は

  • 社外に委託製造している特注品
  • 社内の製造中の半完成品

ここで社外の製造と社内の製造の管理は、分けた方が良いのでは?

となりそうなのですが、

よくある話で社外で作っていたものを社内で作ったり、その逆もあったり、

そのときスムーズに製造の移行ができるよう、

社外と社内の管理は分けない方が良かったりします。

 

仕掛品の型番

仕掛品の型番ですが、購入品のメーカ型番をオリジナル型番にするルールとほぼ変わりません。

変えるのは最初の文字だけです。たとえば

  • ABC00001A

という感じで「XYZ」を「ABC」に変えただけです。

どんな文字でもOK、2文字でも4文字でもOK、好きな英数字を使ってOKです。

 

  連番 バージョン  
ABC 00001 A SUB_PCB_ASSY
  00002 A MOTOR_A
  00003 A CABLE_A
  00004 A CACE_TOP

販売品の型番

販売品の型番は

  • お客さんへ引き渡すときの型番
  • 型番に意味を持たせ、わかり易さ要素も必要

例えばパナソニックのアルカリ電池の場合、

  • LR03XJ/8SW
    • 「LR??XJ」アルカリ
    • 「03」単4電池
    • 「8SW」8本パック

となり分かり易い型番となっていたりします。

自社の製品ラインナップに合わせて、できるだけ分かり易くなるような型番を付けてあげられるとよいです。

 

一点、気を付けないといけないこととして、

  • お客さんから発注をもらうときに、型番に揺らぎが出ないようにする
  • 以下のような文字は避ける
    • 大文字小文字が混ざっている
    • 全角半角が混ざっている
    • スペースがある
    • 記号がある

型番の揺らぎが原因で発注ミスが発生してしまうこともあり大変危険です。

お客様に間違わずしっかり型番を記入してもえるようにします。

 

販売品と仕掛品の型番

販売品は

  • お客さんへ引き渡すときの型番

仕掛品は

  • お客さんへ引き渡す直前までの型番

となります。

よって、

  • 倉庫の中に保管いしてるもの = 仕掛品
  • 倉庫から出庫したもの = 販売品

となります。

なぜこのようなことをするかというと

  • 同じ販売品の型番でもバージョン違いなどがある

ためです。たとえば

  • 販売品 「SUPERBATTRY0001」があったとして
    • 仕掛品「XYZ00001A」と「XYZ00001B」は同じ「SUPERBATTRY0001」で出荷する
    • でも倉庫の中では「XYZ00001A」と「XYZ00001B」がそれぞれ何個あるか管理したい

みたいなことが多々あるからになります。

 

 

 

型番がルールができたら次は

「部品表へリンク」のルールが必要となります。ご参考にしてください。