Bluetooth AoA ダイポールアンテナアンテナ 6個(Y軸2個、X軸2個、実験用X軸2個)の基板設計してみました。
仕様
Y軸 : 2枚( ダイポール 30.8mm IQ受信間隔35mm )
X軸 : 2枚( ダイポール 30.8mm IQ受信間隔35mm )、(予備 X軸 2枚実験用)
アンテナスイッチ : 3個実装
アンテナ受信部コネクタ : u.FL
アンテナスイッチコネクタ : 5x2列 2.54ピンヘッダ
基板サイズ 111.1 x 75.6mm
層数 : 4層
基板厚 : 1.6mm
L/S : 0.12mm以上
スルーホール : 0.25/0.5mm
回路図

パターンイメージ

3Dイメージ

設計情報
TI社のTIDA-01632に関する設計情報を使用しました。
https://www.ti.com/tool/TIDA-01632
ポイントとしては
- IQ2つのアンテナの位相差は1/2 λ(最大位相差180°)以内
- アンテナ用アナログスイッチのスイッチ速度が数100nSec 以下
- ダイポールアンテナの絶縁差動をシングルエンドへ変換
となっています。
1/2 λは62mmでアンテナの距離は35mmとなっており十分に狭くなっています。
アナログスイッチはSKY13408-465LFを使用、スイッチング速度は150nSecで早いものを使用します。
絶縁された差動をシングルエンドへ変換するためにはプリント基板にダイポールアンテナの層とは別に
マーチャントバラン(Marchand balun)の層を設けて電磁結合させてシングルエンドに変換します。
また、グランドが距離的に遠いと末端がオープンになり反射を起こしてしまったり、
近いとグランドで吸収短絡が起きてしまったりするため、
ダイポールアンテナに対して90度の1/4 λ波状パターンを形成しグランド電位を確保します。
アンテナ部層構成としては
- 1層目(A面、部品面) : 1/4 λ波状パターン
- 2層目(内層) : ダイポールアンテナ
- 3層目(内層) : マーチャントバラン
- 4層目(B面、部品面) : 1/4 λ波状パターン
となっています。
製造
JPCPCBの「JLC04161H-2116C 1.6mm」を使用します。
TI社の設計情報に近い層間距離となっています。
アンテナ部以外の層構成が
- 1層目(A面、部品面) : GND、信号
- 2層目(内層) : ダイポールアンテナ
- 3層目(内層) : GND、信号
- 4層目(B面、部品面) : 信号
としているためアンテナ部とアンテナ部以外にて微妙に50ohmのパターンは幅を変えています。(下表参照)
(TI社の設計情報は6層で1層目信号、2層目GND、4層目信号、5層目GND、6層目信号となっていて
50ohmのパターン幅は変わらないのですが今回は安価にするため4層を採用してみました)

コメントをお書きください