RaspberryPi CM4を5V入力で動作させたい時の電源回路についてです。
- 安価なUSB Type-AのACアダプタを採用したかったり、
- USB Type-A出力のモバイルバッテリも大容量化していたり、
- USB PDで5Vが3A仕様になっていたり、
などなど、、でRaspberryPi CM4も5Vで動作させたいときの回路です。
5V直接をRaspberryPi CM4やUSB VBusに使える?
RaspberryPi CM4の入力定格は最低4.75Vとなっています。
また動作時の消費電力は通常約1.4Aとなっています。
5Vをコンバータ無しで直接RaspberryPi CM4に入力するのは厳しいと思われます。
外部に出力するUSB VBusなども加えるとさらに厳しいです。
よって、5V-5Vのboost, buck-boostタイプの昇降圧コンバータを採用するのが良いかと思われます。
TPS63806YFFR(TI製)
buck-boostタイプの昇降圧コンバーです。
仕様は以下のとおりです。
入力電圧範囲 : 1.3V~5.5V
出力電圧範囲 : 1.8V~5.2V
出力電流:2A(過渡電流2.5A対応)
TIのWEBBENCHの結果は以下のとおりです。(なぜかSimulateができず波形生成はできませんでしたが。。)
WEBBENCHの計算条件は以下のとおりです。
- 入力電圧 4.5V~5.5V
- 出力電圧 5V
- 出力電流 2A
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回路図
今回はPWMモードで使用します。
TPS63806YFFRを2個使用し、1つはRaspberryPi CM4用、もう一つは外部に出力するUSB VBus 5V用としました。
入力に2SJ687を入れているのは突入防止用となります。
もし入力がUSBであった場合100uFまでは問題なく使えるので突入防止は必要ないのかもしれませんが
さまざまな電源ユニットを使用した際に挙動がおかしくなるのが怖くて念のため保険でいれています。
ENピンには常時通電の補助電源の回路からオンオフができるようにしています。
さらに2段目に10 kohmと 1 uFを挿入しています。
これはboost, buck-boostタイプの昇降圧コンバータの特徴で起動時に最大電流が流れることへの対策で、
2個同時に最大電流が流れないように起動のタイミングをずらしています。

プリント基板パターン
TPS63806YFFR周辺のみで回路図の一部(入力のFETやヒューズやEMIFILや100uF)は入っていません(別のブロックのため)

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