MRPなどのシステムが正しく動作するためには「曖昧さ」や「揺らぎ」を排除しなくてはいけません。
人だと「曖昧さ」や「揺らぎ」があっても上手くいくかもですが、コンピュータはそうはいきません。
ルールをしっかり決める必要があります。
部品表の話をする前に
についてです。
よくあるのですが部品表に沢山の情報を記載している場合があります。
たとえば
ただ、上記のような情報は部品表に直接入力するべきではありません。
でも、部品表に入っていたら便利なはずなのです。
では、どういうことかというと、
というように「部品表」と「部品情報」を分けてしまうのです。
そして
ということを行います。
こうすることで、部品表は最低限必要な項目のみ入力でよくなるので楽です。
また、データベースを更新すれば全ての部品表に自動的に適用されることになり
ちゃんと管理ができるようになります。
部品表の種類を定義します。
最低限、以下の2つとなります。
EBOMはエンジニアが作成する部品表のため、ファイル形式にることが多いです。
ファイルはExcelでもテキストでもOKです。
ただ、ルールは明確にし、必ず全エンジニアがそのルールを守るようにしなくてはなりません。
必要なルールは大きく2つで
です。
ファイル名に関しては、たとえば
だとして
という感じでも良いかと思います。
記述内容に関しては、
列インデックスの基本は以下の3つの項目、
行インデックスは
あと、列インデックスの基本の3つの項目以外に
列を追加し、情報を増やし記載しても良いが、
システムでは無視される前提で扱うようにします。
EBOMの例です。
REF | QNTY | PN |
A1 | 1 | ABC00001A |
A2 | 1 | ABC00002A |
A3 | 1 | ABC00003A |
MBOMはシステムに登録済みの部品表であって、
ソースはデータベースであって何かのファイルの形式で実在するようなものでは無いのですが、
実際の現場や業務では、
システムからMBOMをエキスポートし、なにかしらのファイルして作業することになります。
エキスポートするときに、価格情報だったり、在庫数だったり、未入荷数だったりを
付加したりします。
製品をたった1つの部品表で作成しようとすると、
とても大きな部品表となってしまいます。
よって部品表を分割することになるのですが、
分割にもルールがあります。
分割は
となります。
仕掛品がどのようなポイントで分割されるかというと
となります。
具体的は
となります。
なぜバージョン管理が必要かというと
などを管理するためになります。
たとえば「仕掛品 ABC20000A」の部品表に以下の記載があったとして
REF | QNTY | PN |
A1 | 1 | ABC00001A |
A2 | 1 | ABC00002A |
A3 | 1 | ABC00003A |
「ABC00001A」が「ABC00001B」にバージョンがAからBになったとして、
「仕掛品 ABC20000A」も「仕掛品 ABC20000B」に変更となり
部品表は以下の記載となります。
REF | QNTY | PN |
A1 | 1 |
ABC00001B |
A2 | 1 | ABC00002A |
A3 | 1 | ABC00003A |
さらに「仕掛品 ABC20000A」を実装する次工程の「仕掛品 ABC24600A」があったとして、
「仕掛品 ABC20000A」が「仕掛品 ABC20000B」に変更となったら
「仕掛品 ABC24600A」も「仕掛品 ABC24600B」に変更になります。
このように出荷品まで連鎖してバージョンを上げていくようにします。
このようにすることで組合せによる相性やトレースの管理が出来るようになります。
ここでもし、
となった場合には
「仕掛品 ABC20000A」はBとはせずにそのままAとして「ABC00001AB」と記載します。
REF | QNTY | PN |
A1 | 1 | ABC00001AB |
A2 | 1 | ABC00002A |
A3 | 1 | ABC00003A |
さらに
「仕掛品 ABC20000A」はBとはせずにそのままAとして「ABC00001AB_C」と記載します。
REF | QNTY | PN |
A1 | 1 | ABC00001AB_C |
A2 | 1 | ABC00002A |
A3 | 1 | ABC00003A |
あともしも
ならば
「仕掛品 ABC20000A」はBとはせずにそのままAとして「ABC00001」と記載します。
REF | QNTY | PN |
A1 | 1 | ABC00001 |
A2 | 1 | ABC00002A |
A3 | 1 | ABC00003A |
よくあることで購入品のコンデンサや抵抗などにて
互換性があってさらにコストや入手性の問題から
複数の購入先から仕入れることがあったりします。
このときも管理が必要となります。
まず、複数の互換品を同じ連番としてセカンドソースのみを変えて
オリジナル型番をとります。
連番 | 代替品 | ||
XYZ | 00123 | A | GRM155R71C104KA88J |
00123 | B | EMK105B7104KV-F | |
00123 | C | C1005X7R1C104K050BC |
もし、セカンドソースの中で「XYZ00123A」と「XYZ00123C」のみ使える場合は
部品表に「XYZ00123AC」または「XYZ00123_B」と記載します
もし、全て使える場合は「XYZ00123」と記載します。
考え方はバージョン管理と同じになります。